18,900トン。高さ124メートル。設置における1つの大きな課題

東南アジア最大級の海洋プラットフォームを、既存のパイプラインや海底機器の複雑なネットワークにダメージを与えることなく設置するという課題に際し、ダイニーマ®を使用したアンカーラインが唯一の解決策となりました。

アンカーラインに問題が発生しないようにするため、ドックワイズ社は、来るべき厳しい挑戦に対応するためにはダイニーマ®ファイバーを使用したロープが必要だと結論付けました。厄介な海底構造物に対応し、厳しい納期をクリアするためには、何も損傷せず自身も破断することのない、強くて軽いラインが必要だったためです。

「重量18,900トン、高さ124メートルの、東南アジア最大級の海上プラットフォームです。」

a dreaming job

厳しい条件の中での厳しい仕事

世界最大の重量物海運会社のドックワイズ社は、23隻の船舶と半潜水船を運航しています。この仕事のために、同社はオープンスターンの重量物運搬船であるブラックマーリン(Black Marlin)号に声をかけました。

この船と同社には、いくつかの重要な要件がありました。まず、プラットフォームの上体を安全に積み込み、輸送現場まで輸送しなければなりません。重量18,900トン、高さ124メートルの上体は、東南アジア最大級の海上プラットフォームでした。第2に、この海域に1978年から敷設されている大規模な水中インフラにダメージを与えずにフロートオーバー設置を行う必要がありました。

ブラックマーリン号の概要

  • 最大喫水:10.08m
  • メインデッキ上の水深 FPP/APP:10.00m
  • 載貨重量:57,021トン
  • スピード:14.5ノット

*右舷に固定ケーシングを装備。

  • 全長:217.50m
  • 垂線間長:206.57m
  • 成形幅/最大:42.00m
  • デッキスペース (長さ×幅):165.60×42.00m
  • 水深:13.30m
  • 喫水(FPP/APP):23.34m
black merlin

ダイニーマ®で設置が迅速に

こうした要因により、ドックワイズ社はブラックマーリン号の通常の鋼線アンカーラインを超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)製の合成ラインに交換しました。「この作業はパイプラインやその他の海底資産の近くで行われました」とドックワイズ社のシニアプロジェクトマネージャー、アート・ファン・デン・ホーナード(Aart van den Hoonaard)氏は説明しています。「このような要求の厳しい精密な作業では、中間ラインのブイで鋼線ロープを使用することも可能かもしれませんが、設置時間がもっと長くかかったでしょう。」

同社は当初、別のメーカーの超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を使用したラインを選択しましたが、そのうちの1つに問題が起きたため、ダイニーマ® SK78ファイバーを使用したOliveira X-Trema Lineの12ストランドロープを選択しました。ダイニーマ®を使用した係留ラインは、同じ直径の鋼線ロープと同等の強度を持ちながら、重量は7分の1以下です。また、同じ強度を持つポリエステルやナイロンのロープに比べて直径は約60%、重量は約30%です。

strain

負担をかける

  • ライン:3210 kNのMBL付属12本編みSK78。長さ800m、直径64mm
  • 係留の構成:ダイニーマ®使用ロープ > シャックル > SWR > スチール製チェーン > アンカー 
  • 係留システム全長:約1,450m
  • アンカー:15トン、揚錨船を使用して設置
black merlin route

フロートオーバー作業

積み込みの時期が近づく中、ブラックマーリン号にプラットフォーム上体をスライドさせて載せるスキッドアウト作業の準備が行われました。2日間の航行の後、チームは問題なくフロートオーバー設置ができました。

「ダイニーマ®を使用したラインは、素材が浮くので巻き取りが簡単でした」

フロートオーバーでは、4点式アンカー係留が使用されました。4本の係留ラインで、ブラックマーリン号は作業中所定の位置に固定されました。しかし今回の係留システムでは、既存のフィールドレイアウトへの損傷を防ぐため、通常の鋼線ロープの代わりにダイニーマ®を使用したアンカーラインが使用されました。3隻のタグボートがジャケットへの上体取り付けに協力しました。

float over
man with rope

厳しい状況下での時間短縮

このような困難な作業の中でダイニーマ®を使用したラインを用いたことは、どのような効果があったでしょうか。アート・ファン・デン・ホーナード氏は、「基本的に、乗員が気づいたのはロープの保管時の取扱いが簡単だということです。鋼線ロープとミッドラインブイを使用しても、海底へのロープの追突するのを防いだり、配管等の海底インフラへの損傷を防止したりできたでしょうが、設置にもっと時間がかかったでしょう」と述べています。

19,000トンのプラットフォーム設置に貢献したダイニーマ®を使用したアンカーライン

ドックワイズ社は、プラットフォーム上体の設置方法を計画していたとき、厄介な海底構造物に対処し厳しい納期に対応するためには、一切のものに損傷を与えたり破損したりしないように信頼できる、強度がありながらも軽量なラインが必要であることを認識していました。

anchor lines

お困りですか?

当社の専門家にご相談ください。ダイニーマ®によるお客様のビジネスの最適化についてアドバイスを提供いたします。