エジプトのベニスエフの新しい発電所は、同種の中では世界3大発電所のひとつというだけでなく、竣工までのスピードでも新記録を保持しています。ダイニーマ®を使用したイノベーティブな繊維ラッシングチェーンを使用したことも成功の一因でした。
ベニスエフ発電所は、エジプトの巨大プロジェクトを形成する3ヶ所の4.8 GWガス焚きコンバインドサイクル発電所のひとつです。総容量14.4 GWの3つの発電所は2018年に完全に稼働すると、同国の発電能力を45%引き上げることになります。このため、同国南部にあるベニスエフ、まだ名前のないカイロ近くの新首都、およびアレクサンドリア近くのブルルスにある発電所は、エジプトの発展にとって極めて重要で、迅速に建設する必要があったのです。また、輸送・設置中の安全性とタービンや他のコンポーネントの損傷予防も重視されていました。
タービン、発電機、排熱回収ボイラ、変圧器を供給する契約は、シーメンスが地元のパートナーであるオラスコム・コンストラクションおよびエルスウェディ・エレクトリックとともに獲得しました。これらの機器をヨーロッパから船で運び、到着地のアレクサンドリアからベニスエフおよび新首都に移動する契約は、重量物のリフティング・輸送専門企業ALEとエジプトでのパートナーであるエジトランスが獲得しました。
この契約には、16台のシーメンスSGT5-8000Hガスタービン(重量486トン、同種タービンでは世界で最も強力)と、8台の蒸気変圧器(396トン)の移動が含まれていました。各タービンは長さ12.6m、幅5.5m、高さ5.5mでした。 プロジェクトの残りの部分は、380台を超えるボイラモジュール(40~192トン)、16台のガスブロック用変圧器(196トン)、8台の蒸気ブロック用変圧器(196トン)の移動でした。
作業は4月中旬にベニスエフ発電所を中心に始まり、2ヶ月後に新首都で続行されました。8月末までにALEとエジトランスは6台のタービン、6台の発電機、2台の変圧器をベニスエフ発電所に運び、1台の変圧器、2台の発電機、2台のタービンを新首都まで輸送しました。
すべて順調に進んだように見えますが、実際には一筋縄ではいきませんでした。アレクサンドリア港からベニスエフまでのルートは340km、新首都までは100kmです。重量が大きいため、輸送隊は高速道路の6つの橋を回避するため、迂回しなくてはなりませんでした。さらに3つの橋を補強する必要がありました。「すべての作業と事務をあれほどの短期間で行うのは大変でした」とALEのスーパーバイザー、クリストフ・ブラズコウスキー氏は語ります。「ALEは地元のパートナーとコーディネートし、あらゆる作業が予定通りに行われました。」
ALEは密接なコーディネートを行うとともに、巨大な貨物を降ろすためのイノベーティブなスイッチも作成しました。表面の状態が悪く、傾斜という難関もあったため、同社は同様の作業で通常使用される鉄製チェーンではなく、ダイニーマ®を使用したグリーン ピン タイキャン®繊維リンクラッシングチェーンを採用することにしました。
理由は簡単です。「グリーン ピン タイキャン®は、最低の重量で最も早く設置でき、貨物へのダメージが最も少なく、安全性が最高でした」とクリストフ氏は語ります。 従来の鉄製ラッシングチェーンに比べて、グリーン ピン タイキャン®繊維ラッシングチェーンは、同一の長さで6倍以上軽いのです。「グリーン ピン タイキャン®チェーンを使用することで設置・撤収時間を50%以上短縮できました」とクリストフ氏は言います。「さらに、繊維ラッシングチェーンは重量が低く、やわらかいので、網具員とトラック運転手の負傷リスクのほか、装置と貨物の損傷リスクも減ります。」また、適切な取扱い、保管、メンテナンスにより、繊維チェーンの性能は同一の長さの鉄製チェーンと少なくとも同程度の期間、維持できます。
あらゆる詳細が重要になる事業で、ダイニーマ®を使用した繊維リンクラッシングチェーンの使用は、どのように影響したのでしょう?シーメンスは契約締結後、新しいエジプトの最初のグリッド能力4.8 GWをわずか18ヶ月で接続し、近代のあらゆる発電所建設記録を破りました。
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